Q&A

公益法人税制

 

2.一般財団法人設立時の財産拠出行為について


 一般財団法人設立時の財産拠出行為は(医療法人のような非課税規定が置かれていないため)損益取引として課税されるのでしょうか。その通りであれば、財団法人の設立自体の障害となりますが、いかがでしょうか。

 質問1に対する回答と同様の回答になりますが、一般財団法人が非営利型法人に該当するか否かで課税関係が異なります。

 

 非営利型法人に該当する一般財団法人の場合には、基本財産としての財産の受入れは、法人税法施行令5条1項各号に掲げられた収益事業には該当しませんので、受け入れた寄附金の額は、法人税の課税対象とはなりません。

 

 また、非営利型法人に該当しない一般社団法人の場合には、寄附金の受入れが法人税法22条2項の無償による資産の譲受けに該当し、同条5項の資本等取引に該当しないことから、受け入れた寄附金の額は、法人税の課税対象として益金の額に算入する必要があります。

 

参考:『平成20年度税制改正の解説』319頁
(ハ) 医療法人に対する取扱い

ⅰ 医療法人がその設立について贈与又は遺贈を受けた金銭の額又は金銭以外の資産の価額については、益金の額に算入しないこととされました(法令136の4①)。また、持分の定めのある医療法人が持分の定めのない医療法人となる場合に、持分の全部又は一部の払戻しをしなかったときは、その払戻しをしなかったことにより生ずる利益の額は、益金の額に算入しないこととされました(法令136の4②)。これらの場合における医療法人の受贈益等は、本来利益を構成するものですが、税務上は資本等取引に該当するものとして、いずれも益金の額に算入されていませんでした。今回の改正においては、これまでの益金不算入とする取扱いを明確化するための規定が新たに設けられるとともに(法令136の4)、これらの益金の額に算入されない金額は、利益積立金額とされました(法令9①一ヘ、9の2①一ト)。

ⅱ 上記ⅰの取扱いが整備されたことから、持分の定めのない医療法人が設立時に贈与又は遺贈を受けた金銭の額又は金銭以外の資産の価額については資本金等の額を構成しないこととされました(旧法令8①十四)。