Q&A

リース税制

 

所有権が移転しない土地の賃貸借の取扱い

 中途解約不能要件とフルペイアウト要件を満たす所有権が移転しない土地の賃貸借については、平成19年度改正前は、旧税法上のリース取引(旧法人税法施行令136条の3(リース取引に係る所得の金額の計算)の3項に規定していた「リース取引」をいいます。)の範囲から除かれていませんでしたので、実質的に金銭の貸借があったものと認められる場合には、金銭貸借取引として取り扱い、それ以外の場合には、賃貸借取引として取り扱うこととなっていたと考えられます(旧法令136の3②)。

 

 しかし、平成19年度改正によって、税法上のリース取引の範囲から「所有権が移転しない土地の賃貸借」が除かれることとなりました(法法64の2③括弧書き、法令131の2①)。

 

 このため、今後は、所有権が移転しない土地の賃貸借は、中途解約不能要件とフルペイアウト要件を満たす場合であっても、税法上のリース取引の範囲から除くこととなるため、常に賃貸借取引として取り扱い、金銭貸借取引として取り扱うことはない、ということでよろしいでしょうか。

 ご指摘のとおり、中途解約不能要件とフルペイアウト要件を満たす所有権が移転しない土地の賃貸借については、平成19年度改正前は、実質的に金銭の貸借があるものは金銭貸借取引として取り扱われることとなりますが、平成19年度改正以後は、税法上のリース取引の範囲から除外されることから、賃貸借取引として取り扱われることとなります(図表75参照)。

 

 

  このように、平成19年度改正以後は、所有権が移転しない土地の賃貸借については、常に賃貸借取引として取り扱われることとなり、実質的に金銭の貸借とされる場合にも金銭貸借取引としては取り扱われない、ということになります。

 

 ただし、土地についてセール・アンド・リースバック取引が行われ、実質的に金銭の貸借があったと認められる場合には、賃借人は、取引の前後で変わらずに土地を使用することができるにもかかわらず、土地の譲渡によって譲渡損益を計上することができるため、このような取扱いは、本来の制度のあり方はどのようにあるべきかという点からすると、疑問無しとしないと考えます。