朝長 英樹【編著】
竹内 陽一 掛川 雅仁 武田雅比人 長谷川敏也 小林磨寿美
鈴木 達也 神谷 紀子 有田 賢臣 飯田聡一郎 安原 徹
妹尾 明宏 新沼 潮 浅野 充昌 大塚 直子 内藤 忠大
濱田 康宏 石井 幸子 村木 慎吾 岡野 訓 内藤 卓
北詰健太郎 朝長明日香【共著】
森 裕司 【執筆協力】
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は し が き
近年、我が国においては、大企業から中小企業まで、合併や分割などの組織再編成を行うケースが非常に多くなっています。
合併や分割などの組織再編成は、既に特殊な会社の特殊な行為ではなくなっています。
我が国の企業が組織再編成を普通に行う状態は、平成 13 年度税制改正によって組織再編成税制を創設した際に目指すべきあり方として想定していたものであり、上記のような現状からすると、組織再編成 税制の創設の初期の目的が達成されつつある、と言ってもよいと考えています。
しかし、組織再編成税制は、その創設当初より、難解な税務に数えられることは否定できず、法令の規定の解釈や適用にやや問題なしとしないところも見受けられます。
このため、本書は、組織再編成の中でも最も複雑な分割に関して、税理士の皆様方や企業の税務担当の皆様方が実務で突き当たる課題に余すところなく的確な答を提供するというコンセプトの下に起稿させて頂いています。
第 1 部においては、日々、実務に携わっておられる税理士の皆様方に、実務経験を踏まえて分割を行うべきか否か等の判断に資する事項を記述して頂いています。
実務においては、分割の課税関係は、まず、分割を行うべきか否かという検討の段階で問題となります。組織再編成の課税関係は、組織再編成を行った後ではなく、組織再編成を行う前によく検討する必要があります。組織再編成を行うのか否かということは、その課税関係を知らずして判断することはできない、と言っても過言ではありません。
第 1 部に記述している事項は、分割を行うべきか否かという判断を行うに当たって、参考となるはずです。
第 2 部においては、分割の法務に関して記述しています。
分割を行うに当たっては、その法務を避けて通ることはできません。
第 2 部は、この分割の法務に関して、経験豊富な司法書士と税理士の著者の皆様方に、実務を踏まえて記述して頂いていますので、特に、実務に携わる方々には、大いに参考として頂けるものと考えています。
第 3 部においては、分割の税務を詳述しています。
一般に、書籍等は、「分かっていることを書く」「大丈夫なことを書く」というケースが少なくありませんが、本書は、「読者が知りたいことを書く」という姿勢で取り組ませて頂きましたので、本書は、分割の税務に関して幅広く記載されているだけでなく、類書にはない深度のある法令解釈や実務に有益な情報等が随所に存在します。
第4部においては、分割を巡る租税回避事件であるIDCF事件の東京地方裁判所の判決文と、筆者の鑑定意見書を掲載しています。
近年は、税務執行当局の組織再編成に対する目がますます厳しくなってきており、さまざまな難しい問題が争点として浮かび上がってくる気配が感じられます。現在、既に、合併や分割などの組織再編成をめぐる税務訴訟がいくつか生じているわけですが、今後、組織再編 成に対する税務調査がますます増加し、争訟等がなお一層増えて来ることは、間違いありません。
このIDCF事件は、組織再編成に係る行為又は計算の否認の規定(法法 132 の2)を初めて分割に適用し、その是非が司法の場で争われることとなったものです。
このIDCF事件の第一審においては、国側が全面勝訴することとなりましたが、この第一審の判決は、従来の租税回避の捉え方を大きく変える内容となっており、今後の組織再編成の実務に当たっては、知らずして済ますことのできないものとなっています。
このような本書が、分割の実務に携わる税理士・公認会計士・弁護士、分割を自ら行う企業の税務担当者、分割に係る税制の勉強を志す皆様方、分割の税務処理に関して税務調査・審理事務を担当する国税職員の皆様方などの日々の実務や勉強等に僅かなりともお役に立つようであれば、幸いです。
最後になりましたが、本書の校正等に多大な尽力を賜った森裕司税理士、そして、本書の出版にご助力を賜わりました法令出版の皆様方に、著者一同を代表して、御礼を申し上げます。
平成 26 年9月
著者を代表して
日本税制研究所 代表理事
税理士 朝長 英樹
目 次
第1部 分割の検討
第1章 分割における検討事項................................2
第1節 概要 ...............................................2
第2節 分割の形態 .........................................3
1 吸収分割と新設分割 (3)
2 分社型分割と分割型分割 (4)
3 会社分割の基本型 (4)
第3節 債権者保護手続 .................................... 6
第4節 按分型分割と非按分型分割 .......................... 7
第5節 複数新設分割....................................... 9
第6節 反対株主の株式と1に満たない端数.................. 18
1 反対株主の株式の取扱い (18)
2 1に満たない端数の取扱い (19)
第7節 無対価吸収分割 ................................... 21
第8節 吸収分割と自己株式 ............................... 21
1 分割法人の自己株式を吸収分割によって分割承継法人に移転
> する場合の取扱い (21)
2 分割法人が分割承継法人株式を吸収分割によって分割承継法
> 人に移転する場合の取扱い (22)
第9節 他の組織再編成との比較............................ 26
第2章 分割の留意点...................................... 30
第1節 会社に関する留意点 ............................... 30
はじめに (30)
1 企業文化・システム等の分離と統合 (34)
2 許認可 (35)
3 役員 (39)
第2節 株主における留意点 ............................... 41
1 株主名簿と名義株主 (42)
2 交付する株式に1に満たない端数が生ずる場合 (42)
3 分割法人株式に種類株式がある場合 (43)
4 反対株主の買取請求権が行使された場合 (44)
第3節 従業員に関する留意点 ............................. 45
1 労働契約承継法 (45)
2 就業規則の分離と統一 (50)
3 労働組合との関係 (51)
4 分割における余剰人員の整理 (52)
5 社会保険組合の変更等 (52)
6 従業者引継ぎ要件 (53)
第4節 分割比率に関する留意点............................ 53
第5節 会計処理等に関する留意点 ......................... 53
第6節 独占禁止法に関する留意点 ......................... 55
1 公正取引委員会への届出の要否の判定 (55)
2 公正取引委員会への届出の日程調整 (57)
3 企業結合ガイドライン (58)
第7節 金融商品取引法に関する留意点 ..................... 58
1 金融商品取引法の制定における留意点 (58)
2 金融証券取引法における有価証券の募集又は売出し (58)
3 有価証券届出書の提出義務とは (59)
4 組織再編成における有価証券届出書の提出義務 (59)
第8節 相続税・贈与税に関する留意点 ..................... 61
1 会社分割直後に課税時期がある場合の類似業種比準方式の適
> 用関係 (61)
2 事業承継税制認定中小企業者の分割 (63)
第9節 その他の留意点 ................................... 66
1 会社及び他の関係者との連携 (66)
2 分割による税理士の業務範囲の拡大と喪失 (66)
第2部 分割の法務
第1章 会社分割の法務 ................................... 70
第1節 吸収分割と新設分割 ............................... 70
1 会社分割の概要 (70)
2 吸収分割とは (71)
3 吸収分割契約 (71)
4 新設分割とは (72)
5 新設分割計画 (72)
6 現物出資との相違点 (73)
7 事業譲渡との相違点 (74)
第2節 株式会社と持分会社の会社分割 ..................... 75
1 吸収分割の場合 (75)
2 新設分割の場合 (75)
第3節 剰余金の配当(現物配当)又は全部取得条項付種類株式の
> 取得等 ............................................ 76
1 人的分割 (76)
2 非按分型会社分割 (77)
第4節 分割対価の柔軟化.................................. 79
1 分割対価の柔軟化 (79)
2 三角分割 (79)
第5節 分割対価 ......................................... 80
1 吸収分割承継会社が有する吸収分割会社の株式の分割対価の
> 交付 (80)
2 無対価分割 (81)
第6節 自己株式の取得・承継の取扱い...................... 83
第7節 債権者保護手続と重畳的債務引受 ................... 83
1 会社分割と債権者保護手続 (83)
2 債権者保護手続が必要とされる場合 (84)
3 重畳的債務引受による期間の短縮 (85)
第8節 新株予約権の承継及び買取請求の取扱い.............. 86
1 対象株主と通知と公告 (95)
2 株式買取請求効力発生と価格決定 (96)
第14 節 通常分割手続・簡易分割手続・略式分割手続......... 97
1 会社分割と株主総会 (97)
2 簡易分割 (97)
3 略式分割 (99)
第15 節 効力発生日と登記.................................100
1 会社分割の効力発生日 (100)
2 登記申請 (101)
3 添付書類 (102)
4 登録免許税 (103)
第16 節 分割手続における瑕疵と会社分割の無効.............103
1 会社分割における新株予約権の承継の概要 (86)
1 会社分割の無効 (103)
2 新株予約権の買取請求 (86)
2 無効事由 (103)
3 新株予約権者への通知と買取請求の手続 (87)
第9節 雇用契約の承継の取扱い............................ 87
1 通知義務 (88)
2 雇用契約の承継 (88)
3 承継の効果 (90)
第10 節 親会社株式の取得................................. 90
1 会社分割による親会社株式の取得 (90)
2 親会社株式の取得と譲渡承認の手続 (91)
第11節 債務超過会社の会社分割と分割後の清算.............. 92
1 債務超過会社の会社分割 (92)
2 分割後の清算 (93)
第12 節 事業再生と会社分割 .............................. 93
1 詐害的会社分割と最高裁判決 (93)
2 会社分割と商号の続用ついて (94)
第13 節 反対株主の株式買取請求権 ........................ 95
3 提訴権者(原告適格)(105)
4 被告適格及び裁判管轄 (106)
5 提訴期間 (106)
6 担保提供命令 (106)
7 会社分割無効の判決の効力 (107)
8 会社分割の無効と登記 (107)
第2章 分割契約..........................................108
第1節 吸収分割契約書 ...................................108
1 法定記載事項 (108)
2 法定記載事項を中心とする基本的な契約書 (109)
3 その他の記載事項 (111)
第2節 分割比率 .........................................114
1 吸収分割型分割 (114)
2 吸収分社型分割 (114)
第3節 承継権利義務明細表 ...............................115
1 総論 (115)
2 具体的記載内容例 (116)
第4節 新設分割計画書 ...................................117
1 法定記載事項 (117)
2 法定記載事項を中心とした簡易な新設分割計画書 (119)
3 その他の記載事項 (120)
第3章 会社法の手続......................................122
第1節 吸収分割のモデルスケジュール .....................122
1 吸収分割の基本手続・法定期間 (122)
2 人的分割の手続 (123)
第2節 株主総会の承認 ...................................124
1 分割契約承認の取締役会決議 (124)
2 株主総会招集のための取締役会決議 (125)
3 株主総会招集通知の発出 (125)
4 株主総会の承認決議 (127)
第3節 事前情報開示......................................128
1 概要 (128)
2 事前開示事項 (128)
3 吸収分割契約備置開始日 (131)
第4節 反対株主の株式買取請求............................132
1 対象株主と通知と公告 (132)
2 株式買取請求効力発生と価格決定 (133)
第5節 新株予約権の買取請求 .............................135
1 分割の通知又は公告 (135)
2 買取請求効力発生と価格決定 (136)
第6節 債権者保護手続 ...................................137
1 概要 (137)
2 官報公告(決算公告等との関係) (138)
3 催告又は定款規定の公告 (140)
第7節 事後情報開示......................................141
第8節 会社分割による変更の登記の添付書類 ...............141
1 分割承継会社が株式会社である場合の添付書面 (141)
2 分割承継会社が持分会社である場合の添付書面 (143)
第9節 分割効力発生日の変更 .............................144
第10 節簡易分割 .........................................145
1 簡易分割の要件 (145)
2 吸収分割会社の総資産額の算定 (146)
3 吸収分割承継会社の純資産額の算定 (147)
4 簡易分割ができない場合 (147)
第11 節 略式分割 ........................................148
1 略式分割の要件 (148)
2 略式分割ができない場合 (148)
第12 節 新設分割の留意事項 ..............................149
第13 節 労働者保護手続...................................150
1 概要 (150)
2 手続 (150)
第14 節 公正取引委員会への届出...........................152
1 公正取引委員会への届出の要否の判定 (152)
2 公正取引委員会への届出の日程調整 (154)
3 企業結合ガイドライン (154)
第4章 会社分割の会計 ...................................156
第1節 事業分離等に関する会計基準及び会社計算規則の概要..156
第2節 会計基準の考え方..................................157
1 会計処理の概要 (157)
2 投資の継続か投資の清算かの基本的な考え方 (159)
3 投資の清算・継続の判定における組合せ (160)
4 「事業分離等に関する会計基準」の定める会計処理 (160)
5 会計処理のまとめ (168)
第3節 会社計算規則の考え方 .............................173
1 吸収分割について (173)
2 新設分割について (183)
第3部 分割の税務
第1章 適格分割..........................................190
第1節 完全支配関係・支配関係............................190
1 完全支配関係・支配関係の定義
(法法2十二の七の六・十二の七の五、法令4の2②・①)(190)2 完全支配関係の判定 (194)
3 支配関係の判定 (198)
第2節 適格分割の要件 ...................................203
第3節 分割対価要件と交付金銭等の意義 ...................203
1 分割対価要件 (203)
2 1株に満たない端数株式の代わり金 (204)
3 固定資産税の清算として交付される金銭 (205)
4 創設債務 (206)
5 分割型分割と配当 (207)
第4節 完全支配関係法人間の適格分割 .....................207
1 概要 (207)
2 分割対価要件 (208)
3 完全支配関係継続要件 (208)
4 完全支配関係成立時期と適格分割 (210)
第5節 支配関係法人間の適格分割 .........................211
1 概要 (211)
2 分割対価要件 (211)
3 支配関係継続要件 (211)
4 主要資産負債引継要件 (213)
5 従業者継続要件 (213)
6 事業継続要件 (215)
7 支配関係成立時期と適格分割 (216)
第6節 共同事業を営むための適格分割 .....................217
1 概要 (217)
2 事業関連性要件 (218)
3 事業規模要件又は特定役員引継要件(法令4の3⑧二)(221)
4 株式継続保有要件(法令4の3⑧六) (226)
第7節 分割後に更に適格合併が見込まれる場合の適格判定....238
1 完全支配関係法人間の分割 (239)
2 支配関係法人間の分割 (242)
3 共同で事業を営むための分割 (245)
第8節 無対価分割 .......................................249
1 概要 (249)
2 分割型分割と分社型分割の区分 (250)
3 適格判定 (254)
4 適格無対価分割型分割の処理 (262)
5 適格無対価分社型分割の処理 (272)
6 非適格無対価分割の事例 (275)
7 他の手法との相違点 (278)
8 債務超過会社の無対価分割 (283)
第9節 資産負債の引継ぎ..................................296
1 適格分社型分割 (296)
2 適格分割型分割 (297)
第10 節 分割における自己株式等の取扱い ..................298
第11 節 分割における資本の部の取扱い ....................326
1 適格分割型分割 (326)
2 非適格分割型分割 (337)
3 分社型分割 (340)
4 組織再編成における資本の部の取扱いの比較 (341)
第12 節 分割法人の事業年度 ..............................345
1 分割を行った場合の事業年度の考え方(345)
2 分割型分割におけるみなし事業年度の廃止 (346)
第2章 非適格分割の取扱い................................352
第1節 資産及び負債の移転の取扱い........................352
1 非適格分社型分割 (352)
2 非適格分割型分割 (355)
第2節 分割法人の事業年度に関する取扱い..................357
1 平成 22 年度税制改正前の取扱いの概要 (357)
2 平成 22 年度のみなし事業年度の廃止等の改正 (358)
第3節 完全支配関係における非適格分割と譲渡損益調整資産の譲
> 渡損益の繰延べ......................................363
1 非適格分社型分割 (363)
2 非適格分割型分割と譲渡損益調整資産の損益調整 (369)
第4節 完全支配関係における非適格分社型分割と事業譲
> 渡..................................................372
1 完全支配関係における非適格分社型分割 (372)
2 事業譲渡との対比 (373)
第5節 資産及び負債の時価取得............................375
第6節 資本の部の金額の取扱い............................376
1 非適格分社型分割における分割承継法人の資本の部の金額
> (376)
2 非適格分割型分割における分割承継法人の資本の部の金額
> (380)
3 非適格分割型分割における分割法人の資本の部の金額
> (382)
第7節 分割承継法人における資産調整勘定の金額及び負債調整勘
> 定の金額............................................387
1 資産調整勘定の金額及び負債調整勘定の金額 (387)
2 非適格合併等対価額 (387)
3 資産調整勘定の金額 (388)
4 退職給与負債調整勘定の金額 (389)
5 短期重要負債調整勘定の金額 (391)
6 差額負債調整勘定の金額 (392)
7 資産等超過差額 (393)
第8節 非按分型分割......................................397
1 会社法における分割型分割 (397)
2 全部取得条項付種類株主が存在する場合の非按分型分割型分
> 割 (397)
3 分割型分割と金銭等の交付(会規 178) (398)
4 按分型の適格分割型分割を実質的に非按分型とする方法(399)
5 全部取得条項付株式を活用した非按分型分割の例 (400)
第3章 繰越欠損金・特定資産に係る譲渡等損失額 ............402
第1節 適格分割における分割承継法人の繰越欠損金の損金算入制
> 限..................................................402
1 繰越欠損金の取扱いの概要 (402)
2 繰越欠損金の損金算入制限 (404)
3 欠損金の繰越控除が制限される金額 (420)
第2節 特定資産に係る譲渡等損失額の取扱い ...............444
1 制度の概要 (444)
2 特定資産譲渡等損失額の損金不算入 (447)
3 特定資産譲渡等損失額の計算の特例 (463)
4 他規定との調整 (475)
第3節 欠損等法人の取扱い ...............................476
1 欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用 (476)
2 欠損等法人の資産の譲渡等損失額の損金不算入 (480)
第4章 株主の取扱い......................................484
第1節 分割法人の株主の取扱い............................484
1 分割法人の株主に対する課税の基本的な仕組み (484)
2 適格分割型分割における 株主の取得価額の付け替え計算
> (491)
3 非適格分割型分割における株主のみなし配当課税 (492)
4 非適格分割型分割における株主の株式譲渡損益課税 (496)
5 非適格分割型分割における分割法人の株主における分割法人
> 株式の取得価額 (500)
6 分割法人の株主の課税関係のまとめ (501)
7 分割法人株主への通知義務と支払調書の提出義務 (504)
8 設例 (505)
第2節 分割承継法人株主の取扱い .........................510
1 単独新設分社型分割の場合 (510)
2 複数新設分社型分割の場合 (510)
3 吸収型の分社型分割の場合 (510)
4 単独新設分割型分割の場合 (511)
5 複数新設分割型分割の場合 (511)
6 吸収型の分割型分割の場合 (511)
第3節 反対株主の取扱い..................................512
第4節 分割法人の株主が三角分割により分割承継法人の親法人株
> 式を取得した場合....................................519
1 適格分割型分割 (519)
2 非適格分割型分割 (520)
第5節 完全支配関係下の非適格分割における分割法人の株主の税
> 務..................................................521
1 分割法人株式(旧株)の譲渡損益の取扱い (521)
2 譲渡損益調整資産を交付した場合の株主の税務 (523)
3 みなし配当の取扱い (525)
第5章 個別論点..........................................528
第1節 単独新設分割と複数新設分割の場合の適格判定........528
1 単独新設分割 (528)
2 複数新設分割 (532)
3 まとめ (537)
第2節 新設分割による事業譲渡..............................538
1 新設分割を利用した事業譲渡スキーム (538)
2 設例 (539)
3 B社とC社の会計処理の検討 (539)
4 法人税関係の検討 (543)
第3節 給与 .............................................545
1 分割法人の役員に対する退職給与 (545)
2 分割承継法人又は分割法人の役員に対する分掌変更退職給与
> (560)
3 分割における役員給与の取扱い (561)
4 分割法人の使用人の退職給与の取扱い (567)
第4節 分割費用等 .......................................574
1 分割費用等の取扱いの概要 (574)
2 分割契約書等の作成費用の取扱い (575)
3 分割登記の費用の取扱い (577)
4 新社名・新ロゴマークの制作費用の取扱い (578)
第5節 分割と合併が同日の場合の取扱い ...................581
1 分割と合併に関するみなし事業年度 (581)
2 被合併法人の課税事業年度 (582)
3 事例による説明 (583)
4 実務的な対応 (584)
第6節 分割に係る行為又は計算の否認 .....................585
1 組織再編成に係る行為又は計算否認規定創設の経緯等の確認
> (586)
2 組織再編成に係る行為又は計算の否認規定の内容 (589)
3 法人税法 132 条の2の行為又は計算の否認規定への対応に
> 当たって (606)
4 法人税法 132 条の2の適用事例の第1審判決 (607)
第6章 個別制度の取扱い .................................628
第1節 分割と中小法人特例 ...............................628
1 分割承継法人の中小法人特例の適用関係 (628)
2 分割法人の中小法人特例の適用関係 (629)
3 分割法人又は分割承継法人の子法人の中小法人特例の適用関
> 係 (629)
第2節 棚卸資産の評価方法 ...............................631
1 適格分割の場合 (631)
2 非適格分割の場合 (636)
第3節 減価償却費 .......................................632
1 減価償却資産の償却費の計算及び償却方法等 (632)
2 中古耐用年数 (636)
3 一括償却資産 (638)
4 繰延資産 (641)
5 特別償却 (644)
第4節 貸倒引当金 .......................................648
1 適格分割の場合 (648)
2 非適格分割の場合 (650)
第5節 受取配当等の益金不算入............................651
1 適格分割の場合 (651)
2 非適格分割の場合 (655)
第6節 還付金等の益金不算入 .............................655
第7節 寄付金の損金不算入 ...............................655
第8節 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入
> ...................................................656
1 適格分割の場合 (656)
2 非適格分割の場合 (660)
第9節 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入
> ...................................................661
1 適格分割の場合 (661)
2 非適格分割の場合 (662)
第10 節 保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入 ..662
1 適格分割の場合 (662)
2 非適格分割の場合 (668)
第11節 交換により取得した資産の圧縮額の損金算入..........669
1 適格分割の場合 (669)
2 非適格分割の場合 (670)
第12 節 特定の長期所有土地等の所得の特別控除.............670
1 制度の概要 (670)
2 適格分割の場合 (671)
3 非適格分割の場合 (671)
4 取得及び譲渡の範囲 (671)
第13 節 特定の資産の買換えの場合等の課税の特例 ..........672
1 適格分割の場合 (672)
2 非適格分割の場合 (678)
3 譲渡及び取得の範囲 (678)
第14 節 平成 21 年及び平成 22 年に土地等の先行取得をした場
> 合の課税の特例....................................679
1 制度の概要 (679)
2 適格分割の場合 (679)
3 非適格分割の場合 (680)
4 取得及び譲渡の範囲 (680)
第15節 その他の課税の特例 ...............................681
1 適格分割の場合 (681)
2 非適格分割の場合 (683)
第16 節 所得税額の控除 ..................................683
1 適格分割の場合 (683)
2 非適格分割の場合 (684)
第17 節 外国税額の控除 ..................................685
1 適格分割の場合 (685)
2 非適格分割の場合 (686)
第18 節 金融商品の時価評価とヘッジ処理の概要.............686
第19 節 短期売買商品及び売買目的有価証券.................688
1 適格分割の場合 (688)
2 非適格分割の場合 (689)
3 分割承継法人における届出書の提出 (690)
第20 節 有価証券の空売り等及びデリバティブ取引 ..........690
1 適格分割の場合 (690)
2 非適格分割の場合 (694)
第21節 繰延ヘッジ処理 ...................................698
1 適格分割の場合 (698)
2 非適格分割の場合 (704)
3 分割承継法人における特別な有効性判定方法の承認申請(705)
第22 節 時価ヘッジ処理 ..................................705
1 適格分割の場合 (705)
2 非適格分割の場合 (711)
3 分割承継法人における特別な有効性判定方法の承認申請(711)
第23 節 先物外国為替契約等による円換算額の確定 ..........712
1 適格分割の場合 (712)
2 非適格分割の場合 (713)
第24 節 外貨建資産等の期末換算差損益の計上 ..............714
1 適格分割の場合 (714)
2 非適格分割の場合 (715)
3 分割承継法人における届出書の提出 (715)
第25 節 長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度
> ..................................................716
1 適格分割の場合 (716)
2 非適格分割の場合 (716)
第26 節 工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度.......718
1 適格分割の場合 (718)
2 非適格分割の場合 (718)
第27 節 特定同族会社の特別税率...........................719
1 留保金額 (719)
2 留保控除額 (720)
第28 節 返品調整引当金 ..................................721
1 適格分割の場合 (721)
2 非適格分割の場合 (721)
第29 節 返品債権特別勘定等 ..............................722
1 適格分割の場合 (722)
2 非適格分割の場合 (723)
第30 節 金銭債務に係る債務者の償還差益又は償還差損の益金又
> は損金算入........................................723
1 適格分割の場合 (723)
2 非適格分割の場合 (724)
第31 節 資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入.........725
1 適格分割の場合 (725)
2 非適格分割の場合 (726)
第32 節 未経過固定資産税相当額の金銭交付がなされる場合の処
> 理................................................727
第33 節 商品引換券等の発行に係る収益の帰属の時期.........728
1 適格分割の場合 (728)
2 非適格分割の場合 (729)
第34 節 商品引換券等を発行した場合の引渡費用.............730
1 適格分割の場合 (730)
2 非適格分割の場合 (730)
第35 節 造成団地の分割の場合の売上原価の額 ..............730
1 適格分割の場合 (730)
2 非適格分割の場合 (731)
第36 節 砂利採取地に係る埋戻費用 ........................731
1 適格分割の場合 (732)
2 非適格分割の場合 (732)
第37 節 その他...........................................732
第38 節 試験研究費 ......................................732
1 試験研究費の税額控除の概要 (732)
2 平均売上金額 (734)
3 比較試験研究費 (738)
4 基準試験研究費 (742)
5 計算事例 (743)
第39 節 所得拡大促進税制.................................763
1 制度の概要 (763)
2 基準雇用者給与等支給額の計算 (764)
3 比較雇用者給与等支給額 (771)
第7章 連結納税における取扱い............................772
1 連結法人間の適格分割 (772)
2 連結法人以外の法人との適格分割 (775)
3 非適格分割の株主の処理 (777)
第8章 分割と事業承継税制................................780
1 概要 (780)
2 認定承継会社等が分割法人の場合 (780)
3 認定承継会社等が分割承継法人の場合 (788)
第9章 消費税の取扱い ...................................790
第1節 分割に係る消費税の取扱い .........................790
1 分割 (790)
2 事業譲渡・現物出資 (790)
第2節 分割の場合の納税義務の免除........................792
1 免税点に関する制限 (792)
2 分割等があった場合の納税義務の免除の特例 (793)
第3節 分割があった場合の個別項目の取扱い ...............809
1 長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例 (809)
2 工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例 (809)
3 仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費
> 税額の控除の特例 (810)
4 課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関
> する仕入れに係る消費税額の調整 (810)
5 課税業務用調整対象固定資産を非課税業務用に転用した場合
> の仕入れに係る消費税額の調整 (811)
6 非課税業務用調整対象固定資産を課税業務用に転用した場合
> の仕入れに係る消費税額の調整 (812)
7 納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に
> 係る消費税額の調整 (812)
8 中小事業者の仕入に係る消費税額の控除の特例 (812)
9 売上げに係る対価の返還等を した場合の消費税額の控除
> (816)
10 貸倒れに係る消費税額の控除等 (817)
第4節 消費税率の引上げと経過措置........................817
1 消費税率の引上げのスケジュール (817)
2 納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に
> 係る消費税額の調整に関する経過措置 (818)
3 経過措置の概要 (818)
第10 章 国税通則法の取扱い...............................828
第1節 分割による国税の納付義務の承継 ...................828
1 合併による納税義務の承継と分割による納税義務の承継(828)
2 法人の分割に係る連帯納付の責任 (828)
3 分割があった場合の第二次納税義務 (829)
第2節 不服申立人の地位の承継............................832
1 分割があった場合の不服申立人の地位の承継 (832)
2 地位を承継した場合の手続 (832)
第11章 法人住民税・法人事業税の取扱い....................834
1 分割法人及び分割承継法人における住民税均等割の計算(834)
2 外形標準課税―資本割特例の非承継― (836)
3 中間申告の計算 (838)
第12 章 諸税の取扱い.....................................842
第1節 登録免許税の取扱い ...............................842
1 商業登記 (842)
2 移転・変更の登記 (843)
3 租税特別措置法による登記の税率の軽減 (853)
第2節 印紙税の取扱い ...................................854
1 吸収分割契約書・新設分割計画書 (854)
2 分割承継法人が訂正して発行する株券 (854)
第3節 事業所税の取扱い..................................855
1 概要 (855)
2 課税団体 (856)
3 課税標準及び税率 (856)
4 免税点 (857)
5 会社分割とみなし共同事業 (857)
第4節 不動産取得税の取扱い .............................859
第5節 償却資産税の取扱い ...............................860
第6節 特別土地保有税の取扱い............................861
第13 章 届出・申請・申告等の取扱い ......................862
1 異動事項に関する届出書 (862)
2 新設分割により会社を設立した場合の届出書 (862)
3 組織再編成を行った場合の確定申告書の添付書類 (863)
4 分割に伴い特例の適用を受けるための届出書 (863)
5 その他の特例の適用を受けるための明細書 (871)
6 消費税届出書 (872)
第4部 組織再編成訴訟の判決文及び鑑定意見書
判決文...................................................876
鑑定意見書 .............................................1003
凡 例
本書は、平成 26 年9月 30 日現在の法令、通達によっています。
本書において使用する法令・通達等の略称は、次のとおりです。
法人税法..................................................法法
法人税法施行令..........................................法令
法人税法施行規則........................................法規
法人税基本通達........................................法基通
平成 22 年度税制改正前の法人税法......................旧法法
所得税法..................................................所法
所得税法施行令 .........................................所令
所得税法施行規則........................................所規
所得税基本通達........................................所基通
消費税法..................................................消法
消費税法施行令..........................................消令
消費税法施行規則......................................消規
消費税基本通達........................................消基通
租税特別措置法............................................措法
租税特別措置法施行令....................................措令
租税特別措置法基本通達..................................措通
印紙税法..................................................印法
印紙税法基本通達......................................印基通
国税徴収法................................................徴法
国税徴収法基本通達....................................徴基通
国税通則法................................................通法
地方税法..................................................地法
地方税法施行令............................................地令
平成 22 年度税制改正前の地方税法附則..............旧地法附則
登録免許税法 .........................................登免法
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うため
>の消費税法の一部を改正する等の法律..................抜本改革法
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する
>法律....................................................震災法
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の
臨時特例に関する法律施行令............................震災令
会社法....................................................会法
会社法施行令............................................会令
会社法施行規則.. .......................................会規
会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律..............労承法
会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律施行規則 ...労承規
分割会社及び承継会社等が講ずべき当該分割会社が締結している
> 労働契約及び労働協約の承継に関する措置の適切な実施を図るた
> めの指針
(平成 12 年労働省告示第 127 号).........労承法に関する指針
金融商品取引法..........................................金商法
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律..........独禁法
商業登記法............................................商登法
商業登記法施行規則....................................商登規
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 ...円滑化法
平成 17 年改正前商法..................................旧商法
商法等の一部を改正する法律....................商法改正法附則
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律........整備法
企業結合に係る会計基準........................企業結合会計基準
事業分離等に関する会計基準................................基準
企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針....指針
減価償却資産の耐用年数等に関する省令 .....................耐令